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補陽還五湯(ほようかんごとう)は、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)の後遺症や、慢性のしびれ・筋力低下に用いられる漢方薬です。

薬剤師
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補陽還五湯(ほようかんごとう)は、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)の後遺症や、慢性のしびれ・筋力低下に用いられる漢方薬です。

大量の「黄耆(おうぎ)」でエネルギー(気)を補い、血の巡りを改善することで、失われた機能の回復(還五)を促します。

  1. 薬学的な構成と作用機序(補気活血)

補陽還五湯は、中医学の「補気活血通絡(ほきかっけつつうらく)」という概念に基づいた7種類の生薬で構成されています。

黄耆(おうぎ):全体の約半分を占める主薬。気を補い、血を全身に巡らせる推進力を生み出します。

当帰・芍薬・川芎(とうき・しゃくやく・せんきゅう)+桃仁・紅花(とうにん・こうか):滞った血(瘀血:おけつ)を取り除き、血流を劇的に改善します。

地竜(じりゅう/ミミズの乾燥物):血管の通りを良くし、神経の伝達や麻痺の改善をサポートします。

  1. 薬剤師的考察(現代医学・薬理学的観点)

血栓予防と血管保護:地竜に含まれる「ルンブロキナーゼ」には強力な血栓溶解作用があり、西洋薬の抗血小板薬(アスピリンなど)や抗凝固薬と併用して、脳梗塞の再発予防や血流改善の補助として注目されています。

神経修復の補助:黄耆などに含まれるサポニン類やフラボノイドの抗酸化作用により、虚血による神経細胞のダメージ軽減や、血管内皮機能の保護が薬理学的に示唆されています。

  1. 服薬指導における注意点

西洋薬との併用:血流を改善する作用が強いため、抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬を服用している方は、出血傾向が高まるリスクがあるため医師・薬剤師への相談が必要です。

証(体質)の確認:体力虚弱で「気虚(ききょ)」と「瘀血(おけつ)」が顕著な方に適しています。実証(体力充実)の方や、血圧が極端に高い高血圧の初期段階などでは、のぼせや頭痛を悪化させる可能性があります。

プロフィール
パンダ

大阪府の「堺市(さかいし)」に住んでいる現役の薬剤師(パンダ)です。
過去は調剤薬局の開設者&管理薬剤師を30年以上経験しておりましたが、新たに病院薬剤師として勤務しております。当サイトは、自身の備忘録を兼ねて、記憶を綴る個人ブログです。
サイト名:【薬剤師ブログ】yaku7.jp

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