薬局における温湿度と保冷庫の温度管理は、医薬品の品質を保証するために法令や「日本薬局方」で厳格に定められています。
温度や湿度の逸脱は薬の変質や効果低下を招くため、毎日の確実な記録と適切な運用が求められます。
1. 薬局内の温湿度管理
厚生労働省の「薬局における衛生管理マニュアル」では、薬局内の環境は常に適正に保たれるよう規定されています。
温度の基準: 17〜26℃(上限は30℃)
湿度の基準: 40〜70% RH
管理のポイント
直射日光を避け、エアコンや除湿機を用いて管理します。照明は300ルクス以上が推奨されています。
2. 保冷庫の温度管理
主に冷所保存が指定された医薬品(インスリン、ワクチン、一部の目薬など)を保管するために使用します。
温度の基準
1〜15℃(日本薬局方における「冷所」の定義)
管理のポイント
凍結は薬剤の変性を招くため絶対避けてください。
ドアポケット付近は温度変化が激しいため保管を避け、庫内の温度分布が均一になるよう整える必要があります。
3. 具体的な運用・記録方法
日常のチェック
毎日決まった時間に温度・湿度を確認し、日誌などに記録します(原則として休業日も確認が必要です)。
温度計の設置: 薬局内だけでなく、保冷庫内にもそれぞれ温度計を設置します。
データロガーの活用:
営業時間外や夜間の温度変化を可視化するため、記録機能付き温度計やデータロガーの導入が推奨されています。
データロガーとは、温度、湿度、電圧、振動などの物理量をセンサーで測定し、内蔵メモリやSDカードなどに自動記録する装置です。
長期間の自動計測や、人が常駐できない環境でのデータ収集に広く用いられています。
データロガーの種類と用途
温湿度ロガー: 倉庫や工場、美術館での環境監視や食品の輸送管理。
多チャンネルロガー: 複数のセンサーを接続し、温度・電圧・歪みなどを同時に計測する研究開発用途。
ハンディロガー: 持ち運びが容易で、現場でのトラブルシューティングや設備診断に最適。
導入検討時の重要ポイント
測定対象: 何を測定するのか(温度、圧力、電圧など)
チャンネル数: 測定箇所がいくつあるか
データ通信方法: USB、SDカード、無線LAN、Bluetoothなど、PCへのデータ転送方式
環境耐性: 設置場所に応じた防水・防塵性能(IP規格など)
く








