延髄外側症候群(ワレンベルグ症候群)は、延髄外側の障害による多彩な神経症状を呈する疾患です。
薬剤師の観点では、原因疾患(脳梗塞など)の二次予防と、嚥下障害や頑固なしゃっくりといった対症療法における多職種連携(薬物血中濃度や相互作用の管理など)が介入の要となります。
- 原因疾患の薬物療法(二次予防)
延髄外側の多くは脳梗塞(椎骨動脈や小脳後下動脈の閉塞)に起因します。
抗血小板療法: アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールなどが再発予防の第一選択です。
スタチン系薬剤: アテローム血栓性機序やプラーク安定化のために使用されます。
リスク管理: 高血圧、糖尿病、脂質異常症に対する厳格な薬物コントロールが不可欠です。
- 特有の症状に対する薬物療法の観点
延髄外側症候群特有の症状に対し、薬剤師は副作用や相互作用に注意しながら薬学的ケアを行います。
嚥下障害(球麻痺): 誤嚥性肺炎のリスクが極めて高くなります。薬剤の剤形変更(粉砕、ゼリー内服、液剤への変更など)や、胃瘻(PEG)投与時のチューブ閉塞リスク評価が重要です。
難治性吃逆(しゃっくり): 迷走神経や舌咽神経の刺激により、激しいしゃっくりが持続することがあります。
治療薬として、バクロフェン(ギャバロンなど)が著効することがあります。
他にクロルプロマジン、ガバペンチンなどが検討されます。
激しいめまい・嘔気: 急性期には抗めまい薬(ベタヒスチンなど)、制吐薬(ドンペリドン、メトクロプラミドなど)が用いられます。
ホルネル症候群や温痛覚障害: 対症療法は限定的ですが、患側の感覚脱落に伴う二次的な皮膚障害(外傷・火傷)への注意喚起を指導します。
- 薬剤師的アセスメントのポイント
嚥下機能と服薬アドヒアランス: 嚥下反射や咳嗽反射が低下しているため、錠剤の誤嚥リスクを評価し、経口投与が困難な場合は処方医へ経管投与用製剤や坐薬等への変更を提案します。
相互作用と腎・肝機能評価: 高齢者に多く発症するため、ポリファーマシーの解消や、腎排泄型薬物の用量調節が重要です。
ADLとリハビリテーションのサポート: 長期的な運動失調やめまいを伴うため、ふらつきを増強させるような薬剤(鎮静系抗不安薬や一部の降圧薬)の減量や見直しを行います。









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