閉経期のおりもの変化は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴う腟内環境の変化(GSM:閉経関連尿路生殖器症候群)が主因です。
閉経後はおりものの量が減少し、ほぼ無臭または軽い酸っぱい匂いになります。
ただし、「急に増えた」「黄色い・臭う」「血が混じる」などの変化は、萎縮性膣炎 の可能性があります。
萎縮性膣炎は、閉経に伴うエストロゲン低下により腟粘膜の菲薄化や乾燥、pH上昇を招く疾患です。

放置せずに必ず婦人科を受診してください。
薬剤師としては、加齢による生理的変化と、感染症や悪性腫瘍といった病的サインを薬学的観点から鑑別・サポートすることが求められます。

薬剤師的考察と薬学的観点
- 薬学的メカニズムと生理的変化
自浄作用の低下
エストロゲンの低下により、腟壁の細胞からグリコーゲンの分泌が減ります。
これにより、腟内に常在して酸性に保つ乳酸菌(ラクトバチルス)が減少し、腟内のpHがアルカリ性へと傾きます。
おりものの性状変化
閉経後は本来おりものは減少・消失に向かいますが、粘膜の萎縮による乾燥や、アルカリ性化による雑菌の繁殖で、一時的に水っぽいおりものや黄色の分泌物が増えることがあります。

- 病態の鑑別ポイント(レッドフラッグサイン)
薬剤師は服薬指導やOTC医薬品の相談を通じて、以下のサインをキャッチした場合、速やかに医療機関への受診勧奨を行う必要があります。
血液の混入
ピンク、赤色のおおりもの(特に閉経後の出血は子宮体がん等のリスクを考慮)。
悪臭・膿状の分泌物
魚の腐敗臭や、黄色・緑色を帯びたおりもの(細菌性腟炎やトリコモナス腟炎などの感染症を疑う)。
強いかゆみ
白いカッテージチーズ状のおりもの(腟カンジダ症を疑う。糖尿病の潜在発症にも注意)。

- 薬学的アプローチ・治療選択肢
医療機関や薬局における対応として以下のケアが挙げられます。
局所・全身ホルモン補充療法 (HRT)
婦人科にてエストリール腟剤などの局所投与や、飲み薬による全身管理が行われます。
非ホルモン療法(セルフケア・OTC)
症状が軽度で乾燥が主体の場合は、デリケートゾーン専用の保湿ジェル・潤滑剤(ローション)を用いた保湿ケアが推奨されます。
セルフケアとしては、フェムゾーン専用ソープで優しく洗う、綿などの通気性の良い下着をつける などの工夫が推奨されます。
漢方治療について
薬局店頭では、ホルモンバランスの乱れや血流改善、水分代謝の調整を目的に、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)や桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)などが選択されることがあります。
必ず、漢方に詳しい薬剤師とご相談の上、購入ください。
また、上記の漢方処方の製剤は医療用としても存在します。
この場合は、医療機関を受診さて、医師より処方されると、健康保険が適応されます。








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