現在、脳腫瘍領域で最も注目されているのは、神経膠腫(グリオーマ)の進行を長期間抑える経口分子標的薬「ボラシデニブ(製品名:ボラニゴ)」です。
これまで約20年間にわたり新規治療薬がなかったこの分野において、日本で承認・発売された待望の画期的新薬です。
- ボラシデニブ(製品名:ボラニゴ)
対象疾患:IDH1またはIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫(主にグレード2の星細胞腫、乏突起膠腫)
特徴:脳の関門を通過できる経口薬で、腫瘍増殖の原因となる変異酵素の働きをピンポイントで阻害します。
従来の経過観察期間に投与することで、無増悪生存期間(病状が進行しない期間)を大幅に延長することが国際共同第3相試験で実証されています。
- その他の注目すべき最新治療薬
ボラシデニブ以外にも、以下の革新的な薬剤・治療法が注目されています。
テセルパツレブ(製品名:デリタクト注)
対象:悪性神経膠腫(特に膠芽腫)
特徴:がん細胞だけで増殖するように改変された、世界初のがん治療用ウイルス(腫瘍溶解性ウイルス)です。
ウイルスが腫瘍細胞を直接破壊し、さらに免疫を活性化させることで高い治療効果が期待されています。
新規放射性薬剤「64Cu-ATSM」
対象:再発・難治性の悪性脳腫瘍
特徴:現在、臨床試験等で研究が進められている日本発の薬剤です。
がんの低酸素領域に集まる性質を利用し、放射線をピンポイントで照射して治療効果を上げる次世代の放射線内用療法として期待されています。








