
ユナシン点滴(ユナシン-S)は、ペニシリン系とβ-ラクタマーゼ阻害剤の合剤で、細菌の感染を阻害する抗生物質です。
ユナシン(一般名:アンピシリン・スルバクタム)の略語・略称は、成分名の頭文字を取ってABPC/SBTと表記されます。アンピシリン(ABPC)とβ-ラクタマーゼ阻害薬のスルバクタム(SBT)が配合された薬剤であり、医療現場ではこのセットで略されます。
肺炎、腹膜炎、膀胱炎等の治療に用いられ、成人には通常1日3〜6g(力価)を2〜4回に分けて静脈内に点滴投与します。血管痛や副作用に注意が必要です。
主なポイント
適応症: 肺炎、肺膿瘍、腹膜炎、膀胱炎。
投与方法: 成人は1日6g(通常は3g×2回)を点滴静注。重症時は1日12gまで増量可能。
小児の用量: 1日60〜150mg(力価)/kgを3〜4回に分けて点滴。
主な注意点: 血管痛や静脈炎を起こすことがあるため、できるだけゆっくり投与する。
副作用: ショック、アナフィラキシー、皮膚障害、血液障害など。
ユナシン点滴(1.5g/3g)の投与間隔は、患者の症状の重症度や腎機能に基づいて決定されます。感染症の程度により1日2回〜4回程度に分割して投与されることが一般的です。
用法・用量に関する注意点
投与間隔: 通常の感染症では1日2回(約12時間間隔)の投与が標準的ですが、重症の場合は1日3〜4回(6〜8時間間隔)に増量されることがあります。
腎機能による調整: 腎機能が低下している患者様(血液透析など)では、医師の判断により投与間隔を12〜24時間以上あけるなど調整が必要です。
点滴時間: 静脈内への投与は、一般的に30分〜1時間程度かけて行われます。
具体的な投与時間や間隔は、医師が患者様の全身状態を評価した上で指示します。
ユナシン注射(一般名:アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム)のジェネリック医薬品
主に「ピシリバクタ静注用」や「アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム」の名称で複数のメーカーから販売されています。主な剤型は1.5gや0.75gなどの瓶入り(バイアル)です。
主なジェネリック(後発品)の例:
ピシリバクタ静注用(日医工)
アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム静注用(各社、メーカー名が付記される)
スルバシリン静注用(Meiji Seika ファルマ)
ポイント:
先発品である「ユナシン-Sキット」は生理食塩液がセットになったものですが、ジェネリックには溶解液が付属しない瓶製品(バイアル)が中心です。
成分と効果は同等で、薬価が抑えられています。
医療機関により採用されているジェネリックのメーカーが異なります。
ユナシン注射(一般名:スルフバクタム/アンピシリン、SBT/ABPC)は、アンピシリン(ペニシリン系)とβ-ラクタマーゼ阻害剤(SBT)を1:2の比率で配合した薬剤。最大の独自性は、アンピシリンが本来苦手な、耐性菌が産生する酵素(ペニシリン分解酵素)を阻害しつつ、陽性・陰性・嫌気性菌まで及ぶ広範囲な抗菌スペクトルを低用量・低コストでカバーできる点です。
出典 PMDA
ユナシン注射の他剤に無い特徴
唯一無二の「1:2」配合比率
SBT(阻害剤)とABPC(抗菌剤)を1対2の比率で配合。これにより、ペニシナーゼ(β-ラクタマーゼ)を強く不活性化し、アンピシリン耐性菌にも有効性を発揮します。
嫌気性菌(特にバクテロイデス)への高い活性
グラム陽性・陰性菌だけでなく、腹膜炎などの原因となる嫌気性菌(バクテロイデス属など)に対し、他のペニシリン系と比較して優れた殺菌力を持つ。
コストパフォーマンスが高い
広域スペクトルを持つ抗菌薬(カルバペネム系やTAZ/PIPC)と比較して安価に治療可能。
呼吸器・腹腔内感染症の第一選択
肺炎、肺膿瘍、腹膜炎などに対し、耐性菌をカバーした初期治療薬として推奨される。
SBT/ABPC 1回3g高用量投与の有効性
重症度の高い腹膜炎等では、1回3gを1日4回投与することで、耐性菌にも高い有効性を示す(PK/PD理論に基づくTime above MICの延長)。
※本剤は、緑膿菌に対する抗菌活性は持たないため、緑膿菌感染が疑われる場合は他の薬剤(TAZ/PIPCなど)が選択される。




