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慢性硬膜下血腫の治療には、主に「五苓散(ごれいさん)」や「柴苓湯(さいれいとう)」が用いられます。

薬剤師
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慢性硬膜下血腫の治療には、主に「五苓散(ごれいさん)」や「柴苓湯(さいれいとう)」が用いられます。

これらは頭蓋内の水分バランスを整え、血腫の増大抑制や吸収促進を期待して処方されます。

以下に各処方の特徴と薬剤師的な考察をまとめました。

よく用いられる漢方処方の特徴

    五苓散(17番)

    作用: 余分な水分を排出する利水(りすい)作用があり、頭蓋内の水分調節(髄液圧の調整)によって血腫の縮小を促します。

    適応: のどが渇き、尿量が少なく、頭痛やめまい、浮腫(むくみ)などの水毒症状がある患者に用いられます。

    柴苓湯(114番)

    作用

    五苓散の働きに小柴胡湯(しょうさいことう)の抗炎症作用が加わった処方です。

    血腫周囲の被膜における炎症を抑え、血腫の増大を防ぐ目的で使用されます。

    適応

    五苓散の適応症状に加え、難治性の血腫や炎症傾向がみられる場合に選択されます。

    薬剤師的な考察・服薬指導のポイント

      ① 保険適応(適応外使用)の理解と説明

      漢方薬による慢性硬膜下血腫の治療は、学術的な報告や臨床での有効性が認められている一方で、添付文書上の効能・効果には「慢性硬膜下血腫」は明記されていません。

      医師の裁量による「適応外処方」であることを理解し、情報提供を行う際は適切に留意する必要があります。

      ② 併用薬の確認と副作用モニタリング

      腎機能・電解質異常

      五苓散は利水作用により、長期服用時に低カリウム血症などを引き起こすリスクがあります。

      また、高齢者では脱水症状に注意が必要です。

      相互作用・重複投与

      特に柴苓湯は、構成生薬である「甘草」の含有量が多いため、他の漢方薬(芍薬甘草湯や抑肝散など)との併用時には「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」といった副作用の重複リスク(血圧上昇、むくみ、手足のだるさなど)が高まります。

      併用薬のチェックは必須です。

      ③ 術後再発予防と服薬アドヒアランス

      手術(穿頭血腫ドレナージ術)後の再発予防として投与されるケースが多く、長期間の継続服用が必要となることが一般的です。

      症状が落ち着くと患者自身の判断で服薬を中断してしまうリスクがあるため、「血腫を再発させないために一定期間飲み続けることの重要性」を服薬指導で丁寧に伝えることが服薬アドヒアランスの向上に繋がります。

      ④ 患者の「水滞(水毒)」所見の確認

      五苓散や柴苓湯の効果を最大限引き出すには、漢方的な証(証拠・体質)が合致しているかが重要です。

      調剤時には「尿量が減っていないか」「むくみや喉の渇きはないか」といった自覚症状をヒアリングし、必要に応じて医師へフィードバックすることで、より安全で効果的な薬物療法の支援に貢献できます。

      五苓散と慢性硬膜下血腫への保険適応外処方

      慢性硬膜下血腫の治療 飲み薬は、漢方薬(五苓散、柴苓湯)やその他の薬を複合的に使用します。

      しかし、血腫の量が多い場合は、局所麻酔下での手術(穿頭血腫ドレナージ術)を行います。

      プロフィール
      パンダ

      大阪府の「堺市(さかいし)」に住んでいる現役の薬剤師(パンダ)です。
      過去は調剤薬局の開設者&管理薬剤師を30年以上経験しておりましたが、新たに病院薬剤師として勤務しております。当サイトは、自身の備忘録を兼ねて、記憶を綴る個人ブログです。
      サイト名:【薬剤師ブログ】yaku7.jp

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